理事長 戸苅 創
本年、創立135年目を迎えます「金城学院」は、1889年、アメリカ南長老教会から宣教師として日本に派遣されたアニー P・E・ランドルフ(Anny P. E. Randolph)先生が、品位と尊厳(Dignity)を兼ね備えた優秀な女性を聖書の教えに基づいて育成し、社会に貢献したいと願い、名古屋の地に「女学専門冀望(きぼう)館」を開設したことに始まっています。
金城学院のスクールモットーは、旧約聖書箴言1章7節の「主(しゅ)を畏(おそ)れることは知恵(ちえ)の初め」です。「主を畏れることは知恵の初め」の「畏れる」とは、この世に命を与えられた我々は「人すなわち人間」としての分をわきまえ、決して不遜の心を持つこと無く、神を敬(うやま)い畏(かしこま)ること、そしてそこから全ての知恵、知識が生まれ、熟慮と慎重さをもって社会に貢献することを教えています。
金城学院大学の教育スローガンは「強く、優しく。」です。社会に出て多くの課題に直面した時に、自ら考え対処出来る「強さ」と他人をいたわり思いやる「優しさ」の醸成、これが本学が目指す全人教育であり、キリスト教精神の根幹をなしているものです。また、建学以来本学に続いています伝統の英語教育を全ての学部でしっかり受けることで、国際的なコミュニケーションを可能とするスキルを習得していただきます。5G時代、AI時代にありまして、グローバルな視点で全てのことに挑戦することができる人材を醸成してまいります。
金城学院中学校および高等学校の教育スローガンは「社会に参画し、主体的に生きる」です。キリスト教の精神に基づいて、人と人との交わり方を学び、他者を受け入れ理解する心、思いやりの心を醸成していただきます。建学以来本校に続いています伝統の英語教育をしっかり受けることで、イギリスの名門イートン校等への体験留学や外国人教員による授業や英語によるスピーチの体験を介して、国際的なコミュニケーションを可能とするスキルを習得していただきます。
金城学院幼稚園の保育目標は「愛され、育ち合う。」です。一人ひとりを大切に生かし、その子らしく成長するように援助し、地域に根ざした保育を提供しています。3歳児、4歳児、5歳児による混合クラス編成で、多様性、社会性、協同性を学び、他人を思いやる心を育てていきます。
全ての皆さんに「福音主義キリスト教」に基づいた、女性教育、全人教育、国際理解の教育を受けていただき、この「金城学院」でしか経験出来ない素晴らしい学生生活を有意義に過ごしていただいています。
学院長 小室 尚子
金城学院は、創設者アニー P. E. ランドルフ先生の志「福音主義キリスト教による女子教育」を建学の精神として135年の歴史を歩んできました。その教育の3本柱は、「女子教育」「全人教育」「国際理解」です。
明治時代に入り、1873年にキリスト教宣教が解禁されたことにより、既に来日していた初期の宣教師たちは、宣教活動とともに教育に力をいれました。とくに女子教育の遅れを憂えた婦人宣教師たちは、女子教育に力を注ぎます。キリスト教主義の女子教育の開始です。福音主義キリスト教の思想に基礎を置く教育は、欧米の新しい人間観や、社会観を日本の若い女性たちに植え付けました。それが、この国で婦人の地位を向上させるための素地となるのですが、これは日本の歴史に大きな意義をもつことともなりました。「キリスト教主義の女子教育機関が、人類皆平等という平等観にたって、キリスト教を通して新しい人格主義による女性観をつちかい、育んだことは、日本の女性史の上でも革新的意味を持つ」と『日本近代教育史事典』(平凡社)にも記されていることです。本学も、創立以来のその精神を堅く受け継いでまいりました。
本学院のスクールモットーは、旧約聖書「箴言」の言葉、「主を畏れることは知恵の初め」です。主(創造主である神)の前にへりくだり、主を畏れ、主に生かされる者として相応しい自己を成長させて行く。キリスト教主義学校である金城学院各学校での学びと研究は、このスクールモットーの下で展開されています。
各学校では、それぞれに教育スローガンを掲げています。幼稚園では「愛され、育ち合う。」中学校高等学校では「社会に参画し、主体的に生きる。」、大学では「強く、優しく。」です。これらは、一個の人間の成長と人格の形成のために掲げられたものです。
変化する人間の社会のさまざまな状況の中で、何が求められているのかを判断する力、また自分の意見を明確に表明し、行動する力。相手の立場に立つことができる心、また、相手を支え、寄り添う心を持つ。そのような全人教育を金城学院は目指しています。そして、これからますます重要となる女性の社会的活躍と影響力の発揮のために、リーダーシップを持つ人材、幅広い教養と専門性を兼ね備えた人材を社会に送り出してまいります。
学院について